真岡市(もおかし)は、栃木県の南東部に位置する市。旧芳賀郡。1954年(昭和29年)市制施行。
概要
旧芳賀郡に当たる地域の中心で、農業・商業・工業のバランスがとれた都市である。真岡市街は、宇都宮市中心部から南東へ、概ね15キロメートルから20キロメートルの範囲に収まる。また、宇都宮市への通勤率は11.0パーセントである。
現代仮名遣いによる「真岡」のひらがな表記は「もおか」、発音は「モーカ」、真岡市の英語表記はMoka Cityである。なお真岡駅のひらがな表記は「もうか」だったが、1988年にJR真岡線が真岡鐵道に転換された際に「もおか」に変更された。
地名の「真岡(もおか)」の由来について、市街の中心部にあたる「台町」一帯の丘は、かつて、沼や沢で覆われ、水鳥たちの生息地になっていて、台地にそびえる松などの木々には、鶴が飛来し、その舞い飛ぶ様があまりにも美しいので人々はいつからか、「ツルの舞う丘」、「舞丘(まいおか)」と呼ぶようになって、舞丘が「もうか」といわれるようになり、「真岡」と書かれるようになったという説がある。
地理
- 同県の南東部、関東平野の北のはずれにある。東京からは、およそ100kmの距離。西から鬼怒川低地、真岡台地、五行川低地が連なり、低地域では稲作が盛んである。市の東部は標高 150 - 280m 程度の八溝山地の一端がかかる。
- 山:磯山
- 河川:鬼怒川、五行川、小貝川
隣接する自治体
- 栃木県
- 宇都宮市
- 下野市
- 小山市
- 芳賀郡
- 芳賀町
- 市貝町
- 益子町
- 河内郡
- 上三川町
- 茨城県
- 筑西市
- 桜川市
気候
鳩山町とともに関東平野では最も冷え込む場所で、1月の平均最低気温は-4.8℃である。冬の晴れた朝には-10℃を下回ることもある。
歴史
- 旧石器時代:磯山遺跡
- 縄文時代:市内各所に遺跡あり。特に五行川に流れ込む小河川によって形作られる舌状台地上に分布する。
- 弥生時代:集落遺跡や土器散布地が多数見られる。
- 古墳時代:瓢箪塚古墳、稲荷山古墳(方形周溝墓が検出、高勢町に公園として整備)、鶏塚古墳
- 奈良時代:中村廃寺(倉庫址が出土 廃寺ではない)、大内廃寺、かつては中村地区に条里制遺構が残っていた。
- 鎌倉時代:中村城跡(現遍照寺、方形の土塁・堀が見られる)
- 室町時代:宇都宮氏の家臣芳賀氏がこの地方を治める。
- 安土桃山時代:天文13年(1544年)、常陸下館城主水谷蟠龍斎正村によって宇都宮家臣中村日向入道玄角が拠る中村城が落城、中村十二郷が下館領となる。宇都宮氏の取りつぶしにより芳賀氏の支配が終わる。
- 江戸時代:当初大名が入所したが、のちに天領になる。真岡代官所(真岡陣屋)配置。旗本の知行所も点在。後期は、荒廃した知行所再興の為、小田原藩主大久保忠真から派遣された二宮尊徳が、桜町陣屋、東郷陣屋にて報徳仕法を施す。
- 明治時代:郡役所が設置(明治以前は下野国芳賀郡であった)。1912年には下館と真岡の間に鉄道が敷設される。
- 大正時代:鉄道が茂木まで延伸される。
- 昭和時代:第二次世界大戦中、市街地南部に疎開企業として日本蓄音機(コロムビア)が進出。1954年3月に真岡町、山前村、大内村、中村の一町三村が合併し、同年10月に真岡市となる。
- 平成時代:2009年3月23日、隣接する二宮町を編入。
行政区域変遷
- 変遷の年表
- 変遷表
人口
行政
- (旧)真岡町長
- 真岡市(町)長
- (旧)真岡町長の出典:『栃木県町村合併誌 第一巻』, p. 261-262
- 真岡市(町)長の出典:『日本の歴代市長 第一巻』, p. 613-615、歴代の真岡市長(真岡市ホームページ)
議会
定数:21
衆議院
- 任期 : 2021年(令和3年)10月31日 - 2025年(令和7年)10月30日(「第49回衆議院議員総選挙」参照)
行政機関 ・司法機関など
警察
- 真岡警察署
消防
- 芳賀地区広域行政事務組合消防本部
- 真岡消防署
- 真岡西分署・二宮分署
- 真岡消防署
その他
- 宇都宮地方法務局真岡支局
- 宇都宮地方裁判所真岡支部・宇都宮家庭裁判所真岡支部・真岡簡易裁判所
- 宇都宮地方検察庁真岡支部・真岡区検察庁
- 栃木県芳賀合同庁舎(保健所などが入っている)
- 栃木労働局真岡労働基準監督署
経済
産業
地場産業としては、酒造や真岡木綿がある。造り酒屋は数軒存在したが現在は1社のみである。江戸時代、この地が集散地となった真岡木綿は最盛期37万反を産したが、開国にともなう海外木綿の流入により明治以降は生産量が激減し、農家の自家消費程度の生産しかされなくなった。近年、真岡木綿の復興が図られかつての経験者により技術伝承の努力がなされている。技術支援に足利の繊維産業従事者の支援を受けている。製品は物産会館などで購入することができる。
- 工業
- 昭和30年代より内陸型の工業団地が計画され造成が進んだ。立地としては、当時農業以外に産業が少なく農家の次男、三男などの余剰労働力を多く抱え過疎化が進行していたこと。広範囲に平地林(雑木林)が存在したが、エネルギー革命(薪炭革命)や化学肥料の普及により枯れ葉の堆肥化や薪炭の利用がされず造成適地として残っていたこと。鬼怒川が近くを流れ工業用水を得やすかったこと。東京から100キロ圏内で製品輸送の便がよかったことなどにより、折からの高度経済成長に乗って多数の工場が進出してきた。市西部の台地に進出した企業は、隣町の上三川町に日産の栃木工場、芳賀町にホンダの栃木研究所があることから自動車の関連企業が多い。他に電子機器、工作機械、非鉄金属(アルミ圧延)、食品加工などの工場も立地している。地元真岡市から工業団地に入った企業は当初2社と少ない。現在第4・第5工業団地を造成している。
- 商業
- 地方都市として小規模な商店街が中心部にある。昭和40年代から大規模小売店が進出、その後駅西の区画整理事業地内に広大な駐車場をそなえた郊外型の総合スーパー(ベイシア真岡店)が進出した。都市計画道路沿いを中心に専門店も進出している。市中心部の個人商店を中心とした商店街は、店を閉めた所が何軒かあるが、シャッター街も寂れた町並みもなく、市の商業地区全体としては洋風の建物が多い綺麗な街並みとなっている。大型店に対抗して地元商店が商業協同組合によるショッピングセンターを建設したが、そのほとんどが閉店、現在は北真岡地区に一店舗を残すのみである。2005年夏に日本コロムビア(子会社)の工場跡地にイオンスーパーセンター真岡店がオープンした。
- 農業
- 耕地は水田が主である。作物としては米のほか、イチゴ、なす、メロンなど。真岡市が芳賀地区の中心となっているため「JAはが野」の本所や集荷施設なども存在している。JAはが野はイチゴだけで90億円以上を販売しており、主な栽培品種は、とちおとめ、スカイベリー、とちあいか(栃木i37号)である。施設園芸作物の生産は盛んである。2023年に「とちおとこ」という県産バナナが発売された。
- 金融
- 真岡信用組合
- メディア
- 真岡ケーブルテレビ
工業団地
第一、第二、第三は国道408号沿線に、第四は国道294号沿線に、第五は北関東自動車道真岡ICに隣接して造成。
- 真岡第一工業団地(松山町):面積174.5ha。1965年起工。本田技研工業、ユニプレス、鬼怒川ゴム工業、パナソニック住宅設備、仙波糖化工業、吉野工業所、京セラ、IJTT、神和アルミ、マーレジャパン、パイオラックスなどが立地。
- 真岡第二工業団地(鬼怒ヶ丘):面積130.9ha。1967年起工。神戸製鋼所真岡製造所、プロテリアル、同和鉱業サーモエンジニアリング、大和製罐、日本デキシー、富士ファイバーグラス、栃木カネカなどが立地。
- 真岡第三工業団地:面積14.4ha。ファーストウッドが立地。
- 真岡第四工業団地:面積42.7ha。森六生産事業本部、カナエ、タカノフーズ、吉野工業所真岡工場などが立地。
- 真岡第五工業団地:面積91.2ha。神戸製鋼所真岡製造所、大和製罐などが立地。
真岡市に本社を置く主な企業
- エーアイシーテック
- 仙波糖化工業
- 芳賀通運
- マルシンフーズ
- 真岡鐵道
- 渡辺私塾
姉妹都市・提携都市
- 斗六市(中華民国 )
- グレンドーラ(アメリカ合衆国 カリフォルニア州)
- ハーヴィー(オーストラリア連邦)
市のシンボル
- 市花:わた
- 市木:けやき
- 市鳥:ひばり
- 市歌:真岡市民のうた、真岡音頭
- もおかぴょん - ゆるキャラ
地域
町名一覧
教育
高等学校
- 栃木県立真岡高等学校
- 栃木県立真岡女子高等学校
- 栃木県立真岡工業高等学校
- 栃木県立真岡北陵高等学校
中学校
小学校
学校教育以外の施設
- 認定職業訓練施設
- 真岡コンピュータ・カレッジ(職業訓練法人真岡情報処理学園:2011年3月閉校)
- 真岡共同高等産業技術学校(職業訓練法人真岡共同高等産業技術学校運営会)
- 美術館
- 真岡市まちかど美術館
- 渡辺私塾美術館
- 図書館
- 真岡市立図書館
- 真岡市立二宮図書館
- その他
- 自然教育センター
- 科学教育センター
- ピタゴラス・ブラジル真岡校(ブラジル人学校)2009年12月閉校
郵便
郵便番号は以下が該当する。2集配局が集配を担当する。
- 真岡郵便局:「321-43xx」「321-44xx」
- 久下田郵便局:「321-45xx」
郵便局
電話番号
一部地域(後述)を除く市内全域が真岡MAの管轄となり、市外局番は「0285」。収容局は以下の3ビルが該当し、市内局番は以下の通り。
- 真岡局:80-85
- 栃木二宮局:73,74
- 物部局:75
下記地域は真岡市外の収容局が管轄となる。
- 益子局(真岡MA):青谷の一部地域が該当。
交通
鉄道
- 真岡鐵道
- 旧・JR真岡線を承継した第三セクター。土日・祝日を中心に臨時列車として「SLもおか」が運転されている。
- ■真岡線 : 久下田駅 - 寺内駅 - 真岡駅 - 北真岡駅 - 西田井駅 - 北山駅
- 中心となる駅:真岡駅
- 下館駅(茨城県筑西市)から延びる盲腸線であり、沿線住民が鉄道を使用して真岡線以外の駅へ行くには、必ず下館駅での乗換えを伴う。県庁所在地の宇都宮市に直結していないほか、国鉄時代は直通列車が運行されていた小山市に対しても乗り換えを伴うなど、県内他地域への移動に便利とはいえず、利用者数は漸減傾向である。
その他に真岡市内からバスや車を利用して片道30分程度でJR線が発着する宇都宮駅や石橋駅へ行く事が可能である。
バス
路線バス
一般路線の運行は関東自動車が担当。
- 宇都宮東武行き
- 石法寺経由
- 県道61号 - 国道408号 - 国道123号
- 真岡営業所 - 真岡市役所前 - 石法寺 - 鐺山(こてやま) - JR宇都宮駅 - 宇都宮東武 - 西原車庫
- 水橋経由
- 県道61号 - 県道156号 - 国道123号
- 真岡営業所 - 真岡市役所前 - 真岡駅 - 北真岡駅 - 橋場 - 鐺山 - JR宇都宮駅 - 宇都宮東武
- 石法寺経由
- JR石橋駅行き
- 県道47号 - 国道352号
- 真岡車庫 - (真岡駅前) - 上大沼 - 上三川車庫 - 下蒲生 - 石橋駅
- ※真岡駅前は、石橋駅行きのみ停車
- 真岡市コミュニティバス(いちごバス) - 2019年運行開始。
高速バス
かつては真岡発着の高速バスがあったが、2006年ごろに相次いで廃止されている。
- 茂木・益子・真岡・上三川IC入口 - 東京駅(八重洲通り)・浜松町バスターミナル
- 東野交通の単独運行だった。
- 真岡 - 下館駅 - 小山駅 - 栃木駅 - 京都駅 - 大阪・USJ
- 夜行高速バス「とちの木号」の一路線。関東自動車と近鉄バスの共同運行だった。
2009年9月17日から北関東自動車道経由で水戸駅 - 宇都宮駅を結ぶ北関東ライナーが運行されているが、現時点では真岡市内は通過となっている。
2015年9月11日からは鹿沼・宇都宮からのマロニエ号成田空港線が真岡市内に停車する。
道路
- 高速道路
- 北関東自動車道
- 真岡IC(鬼怒テクノ通りに接続)
- 北関東自動車道
- 一般国道
- 国道121号
- 国道294号
- 294号バイパス(真岡バイパス)
- 国道408号
- 鬼怒テクノ通り(真岡バイパス、真岡北バイパス)
- 主要地方道
- 栃木県道44号栃木二宮線
- 栃木県道45号つくば真岡線
- 栃木県道46号宇都宮真岡線
- 栃木県道47号真岡上三川線
- 栃木県道61号真岡那須烏山線
- 一般県道
- 栃木県道106号久下田停車場線
- 栃木県道119号真岡岩瀬線
- 栃木県道134号西田井停車場線
- 栃木県道140号真岡停車場線
- 栃木県道156号石末真岡線
- 栃木県道163号黒田市塙真岡線
- 栃木県道166号西田井二宮線
- 栃木県道187号物井寺内線
- 栃木県道193号雀宮真岡線
- 栃木県道204号結城二宮線
- 栃木県道207号高田筑西線
- 栃木県道216号岩瀬二宮線
- 栃木県道257号西小塙真岡線
- 栃木県道276号井頭公園線
- 栃木県道310号下野二宮線
- 栃木県道316号真岡筑西線
- 栃木県道320号二宮宇都宮線
- 自転車道
- 栃木県道289号二宮宇都宮自転車道線
- 道の駅
- 道の駅にのみや
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 真岡の夏祭り
- 大前神社(日本一の恵比寿像)
- 夏越祭(7月31日) 例大祭(11月9・10日)
- 井頭公園
- 県が管理する大規模都市公園、夏は一万人プールがにぎわう。隣接地に真岡井頭温泉がある。
- 中村八幡神社
- 流鏑馬
- 真岡観光リス村(2020年10月31日閉園)
- 中村城 (下野国):県史跡
- 久保記念観光文化交流館(さだじろう記念館)
- 真岡市久保講堂:国登録有形文化財(栃木県第1号)
- 岡部記念館「金鈴荘」
- さむらい刀剣博物館
- SLキューロク館
- 真岡鐵道 真岡駅に併設されたSLミュージアム。
- みらいん (Meline)
- 神戸製鋼所子会社・コベルコパワー真岡の真岡発電所の見学施設。2020年9月1日開館。
- 古山地蔵尊(道路の真ん中にある地蔵)
- ナガレコウホネ - 市内に2か所の群生地がある。
出身有名人
- 小田茜(女優:上三川町の小中学校に通学)
- 上原チョー(ピン芸人、政治家〈真岡市議会議員〉)
- ジャイアント白田(フードファイター)
- 弘山勉(陸上競技中・長距離走・マラソン元選手、現指導者・筑波大学陸上部駅伝監督、五輪3大会連続陸上日本代表・弘山晴美の夫)
- 上野優作(元プロサッカー選手、サッカー指導者)
- ピストン堀口(プロボクサー)
- 桐生麻耶(OSK日本歌劇団トップスター)
- 勝道(日光開山の祖)
- 星野貴紀(声優)
- 野州山孝市(力士)
- 橋本和芳(アナウンサー)
- 柏崎桃子(お笑い芸人)
- 上野比呂企(アナウンサー)
- 水沼尚輝(競泳選手)
- 関俊彦(声優)
- 石田隼都(プロ野球選手)
- 皆藤愛子(真岡市生まれ、千葉県四街道市育ち。フリーアナウンサー、タレント。)
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『栃木県町村合併誌 第一巻』 栃木県、1955年4月。
- 『日本の歴代市長 第一巻』歴代知事編纂会 、1983年11月25日。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 真岡市 (@mokacityhall) - X(旧Twitter)
- 真岡市 (@mokacity_official) - Instagram
- 真岡市 - YouTubeチャンネル
- 真岡(北西)(国土地理院 地形図閲覧システム)



